【側鎖で覚えた方が楽!】アミノ酸の構造式の覚え方

アミノ酸の構造が覚えられない
ズバリ、こんな方にオススメの内容です。
構造が覚えられない原因は、ざっくり覚えようとしているからです。
官能基1つ1つを見ていくことで記憶の定着度は圧倒的に上がります。
アミノ酸は
- カルボキシ基
- アミノ基
- 水素
を共通構造として側鎖(R)が異なることでアミノ酸の名前・性質が変わります。

つまり、側鎖を覚えてしまえばアミノ酸は覚えたも同然という事です。
記事内では構造式の解説に加えて、各アミノ酸の働き・医薬品との関連についても触れるので参考にして下さい。

側鎖覚えるのが難しい人もアミノ酸と覚えた方が効率良いから、これを機に覚えちゃおう!
アミノ酸って覚える意味あるの?
アミノ酸は身体を構成するタンパク質の構成単位です。
タンパク質・アミノ酸を理解することで生化学、生理学、薬理学、病態など多くの科目の理解に繋がります。

アミノ酸だからと油断せずしっかり勉強しよう!

中性アミノ酸
グリシン:水素

一番基本のアミノ酸です。

グルタチオンは抗酸化作用がある還元剤だね!
アラニン:メチル基

アラニンは側鎖がメチル基のアミノ酸。

この反応は肝臓で起こるから肝障害時は血中ALT値が上がる!
☆バリン:イソプロピル基

☆ロイシン:ブチル基

ロイシンは側鎖がブチル基のアミノ酸で、ケト原性アミノ酸です。
ケト原性アミノ酸とは、
アセチルCoA又はアセトアセチルCoAに変換され、
脂質合成に使われたりケトン体を生成する。
逆に糖原性アミノ酸は
ピルビン酸やオキサロ酢酸に変換され、クエン酸回路に取り込まれる。


ケト原性と糖原性
⇒イソロイシン
+芳香族アミノ酸
と覚えよう!
☆イソロイシン:ブチル基

イソロイシンはロイシンの異性体です。
セリン:メタノール

セリン、トレオニンは側鎖がアルコールのアミノ酸です。
ここでは、アスピリンについて解説します。
アスピリンはCOXのセリン残基と共有結合することで酵素を不可逆的に阻害します。
(下図)

☆トレオニン:エタノール

トレオニンはセリンと同様、
- タンパク質のリン酸化部位
- 糖タンパク質部位結合
という特徴があります。
リン酸化、糖タンパクのイメージを図にまとめたので参考にして下さい。

システイン:メチレンチオール


特徴が多いから1つずつ整理していこう!
☆メチオニン:ジメチレンメチルチオール

メチオニンの特徴は1つ、
S-アデノシルメチオニンとしてメチル基供与体となる。


この反応は求核置換反応だよ!
☆フェニルアラニン:ベンジル基


アスパルテームはフェニルアラニンを含むから、フェニルケトン尿症の人は避ける!
チロシン:pークレゾール

チロシンの側鎖はpークレゾールです。
芳香族アミノ酸共通事項として、280nmに吸収極大を示します。

フェノール性水酸基があるからリン酸化を受けるよ!
☆トリプトファン:メチレンインドール

トリプトファンはインドール骨格を持つ特徴的なアミノ酸で、セロトニン、メラトニンの原料になる重要な物質です。


トリプトファン⇒セロトニン⇒メラトニンの流れを整理しておこう!
アスパラギン:メチレンアミド

アスパラギン、グルタミンは共に末端にアミド構造を持つアミノ酸です。
アスパラギンはセリン、トレオニンと同様に糖タンパクと結合する。

グルタミン:ジメチレンアミド

グルタミンは炭素数がアスパラギン+1のアミノ酸です。
体内で余ったアミノ酸の窒素の大部分は肝臓で尿素に変換されて無毒化されます。
その過程でカギになってくるのがグルタミンです。
グルタミンは、
血中でアンモニアの輸送体として働く。
肝臓でグルタミン酸とアンモニアに分解され、アンモニアは尿素回路で解毒、腎臓で排泄される。
という役割を担っていて、過剰な窒素を除去する上で重要なアミノ酸です。

アンモニアは有毒だから、各組織でグルタミンに変換されて肝臓に運ばれるよ!
(下図)

参考:【解決】グルタミン酸とグルタミンを介したアンモニアの体内輸送
酸性アミノ酸
アスパラギン酸:酢酸

アスパラギン酸は側鎖が酢酸なので覚えやすいです。
ASTの反応は図の通りです。


ALT同様、肝障害時は血中AST値が上がるよ!
グルタミン酸:プロピオン酸

グルタミン酸の側鎖はプロピオン酸でアスパラギン酸に炭素が+1された構造になっています。

プロピオン酸は保存料でもあるね!

ピルビン酸、オキサロ酢酸は糖新生・クエン酸回路に変換されてATP合成に利用されるよ!
塩基性アミノ酸
☆リシン:テトラメチレンアミン

いきなりですが、トラネキサム酸の作用機序をご存じですか?
トラネキサム酸はフィブリンのリシン残基と結合し、プラスミンやプラスミノゲンがフィブリンに結合するのを阻止します。
これは、トラネキサム酸の構造が部分的にリシンと似てるためです。


因みに、オルニチンはリシンよりも炭素数が1つ少ない構造だよ!
(下図)

アルギニン:トリメチレングアニジン

アルギニンはグアニジンを有しており、最も塩基性の高いアミノ酸です。
NOの生合成過程を図にまとめたので、整理しておきましょう。

☆ヒスチジン:メチレンイミダゾール

ヒスチジンはイミダゾール基を持つアミノ酸です。
ポイントは1つです。
脱炭酸でヒスタミンになる。


ヒスタミンは免疫や医薬品との関連が深い物質なので要チェック!
イミノ酸:プロリン

プロリンはたんぱく質を構成する唯一のイミン酸です。
イミノ酸とは、分子中にイミノ基(>C=NH)とカルボキシ基を持つ物質です。
プロリンはニンヒドリンとの生成物がアミノ酸と異なります。
アミノ酸⇒青紫色。
イミノ酸⇒黄色。


生薬で出てくるカイニン酸もイミノ酸だよ!

まとめ:アミノ酸を覚えて基礎を固めよう!
アミノ酸は薬学の基礎として重要な分野です。
しっかり基礎固めをして定期試験・国試対策に役立てていきましょう。
アミノ酸の覚え方は下からダウンロードして下さい。
