実践問題
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プラスグレルの代謝活性化【薬剤師国家試験104回問209】

hachi
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プラスグレルは生体内の代謝により活性代謝物Cに変換されて効果を発揮するプロドラッグである。以下の記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。

1 プラスグレルはチエノピリジン系医薬品である。

2 プラスグレルから代謝物Aへの変換にはプロテアーゼの作用が必須である。

3 代謝物Aと代謝物Bとは互変異性体の関係にある。

4 代謝物Bにはジアステレオマーが存在する。

5 活性代謝物Cは血小板の標的タンパク質と共有結合する。

Q
解答・解説

答えは「2」。


⇒チエノピリジンは、チオフェン+ピリジンから成る構造を指す。


⇒プロテアーゼではなく、エステラーゼである。
 プロテアーゼが正しいと仮定すれば、構造中にペプチド結合を含むはずである。


⇒ケト-エノール互変異性。


⇒代謝物Bには不斉炭素があるため、ジアステレオマーが存在する。


⇒活性代謝物Cのチオール基(-SH)が血小板のタンパク質(ADP受容体)と共有結合して、受容体を不可逆的に阻害する。
(共有結合⇒不可逆的に阻害)

また、クロピドグレルやプラスグレルはADP受容体を不可逆的に阻害するため、効果は血小板の寿命分(約7日)持続する。

実際、クロピドグレル、プラスグレルの休薬期間は7日前後となっている。

同系統のチカグレロルはADP受容体を可逆的に阻害するため、持続時間は前述の2剤よりは短くなっており休薬期間は3~5日とされている。

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ハチ
ハチ
薬剤師
106回薬剤師国家試験現役合格
大学2年の時に化学を挫折しそうになるも、2年間化学漬けの日々を送り大逆転。
⇒CBT~国試まで化学は殆ど勉強しなくてもOKな状態になった。
⇒国試模試で化学単体で2万人中23位に。
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