実践問題
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心房細動の薬物治療【薬剤師国家試験105回問266,217】

hachi
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68歳男性。2週間前から労作時呼吸困難が出現し、増悪傾向のため医療機関を受診した。
心房細動、左室駆出率(LVEF)の低下した心不全と診断され、酸素投与も必要なため入院加療となった。
その後、軽快し、以下の処方で治療されている。

上記の検査値を確認し、心拍数の調節が不十分なため、心拍数の調節を目的として薬剤Aが追加された。

問216

薬剤Aとして最も適切なのはどれか。1つ選べ。

1 フロセミド錠

2 トルバプタン錠

3 アミオダロン塩酸塩錠

4 シベンゾリンコハク酸塩錠

5 ソタロール塩酸塩錠

問217

下図は薬剤Aの投与前と投与後の心電図(Ⅱ誘導)を示している。この変化が起こる理由として適切なのはどれか。2つ選べ。

1 心室筋細胞からのNa+流出の直接的抑制

2 心室筋細胞からのK+流出の直接的抑制

3 心室筋細胞の活動電位持続時間の延長

4 洞房結節の脱分極の直接的促進

5 不応期の短縮

Q
解説・解説

問216:3

問題文に「左室駆出率(LVEF)の低下した心不全」と記載がある為、うっ血性心不全であることが分かる。

シベンゾリン(Ⅰa群)とソタロール(Ⅲ群+β遮断作用)はうっ血性心不全に禁忌なのでアミオダロンが適切。

うっ血性心不全に禁忌な理由
  • 心収縮力低下により心不全を悪化させる恐れがある。
  • 催不整脈作用により持続性心室頻拍、心室細動を起こしやすい。

シベンゾリン
⇒Naチャネル遮断で心収縮力を低下させる。

ソタロール
⇒β遮断で心収縮力を低下させる。

うっ血性心不全以外にも禁忌が多いので、添付文書で確認しておきましょう。

問217:3と4

問216でアミオダロンが分かれば解ける。

類題
心房細動の薬で副作用が起きた症例【薬剤師国家試験100回問334】
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ハチ
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薬剤師
106回薬剤師国家試験現役合格
大学2年の時に化学を挫折しそうになるも、2年間化学漬けの日々を送り大逆転。
⇒CBT~国試まで化学は殆ど勉強しなくてもOKな状態になった。
⇒国試模試で化学単体で2万人中23位に。
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