実践問題
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ピタバスタチンからフルバスタチンに変更された理由【薬剤師国家試験110回問268,269】

hachi
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68歳女性。身長155cm、体重50kg。
下腿浮腫及び尿の泡立ちを自覚するようになり、近医を受診した。
タンパク尿及び低アルブミン血症を認め、ネフローゼ症候群が疑われ、精査加療のため総合病院に入院となった。
検査の結果、以下の治療を開始した。

問268
薬剤師がカンファレンスで提案する内容として、適切なのはどれか。2つ選べ。

1 ヒドロクロロチアジドの追加

2 プレドニゾロンの中止

3 フロセミドの増量

4 カルペリチドの追加

5 ピタバスタチンの減量

Q
解説・解説

答え:1と3

浮腫(むくみ)改善薬を選ぶ問題だが、
4のカルペリチドはネフローゼ症候群の患者に使うと尿蛋白が増加する可能性があるため今回は不適切。

よって
ヒドロクロロチアジドの追加
フロセミドの増量
が適切。

また、プレドニゾロンは体内のNaを増やし、浮腫を悪化させる恐れがあるので不適切。

問269

治療開始後、ステロイド抵抗性との診断を受け、シクロスポリンカプセルが追加されることになった。
そのため、薬剤師は処方2の薬剤についてフルバスタチンへの変更を医師に提案した。
その理由として正しいのはどれか。1つ選べ。

1 シクロスポリンがピタバスタチンの消化管吸収を阻害するため。

2 シクロスポリンがピタバスタチンの肝取り込みを阻害するため。

3 ピタバスタチンがシクロスポリンの代謝を阻害するため。

4 ピタバスタチンがシクロスポリンの尿細管分泌を阻害するため。

5 シクロスポリンがピタバスタチンの尿細管再吸収を阻害するため。

Q
解説・解説

答え:2

シクロスポリンはOATP1B1を阻害するため、OATの基質であるスタチン(フルバスタチンを除く)の血中濃度に大きく影響する。
(下図参照)

ハチ
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ロスバスタチンとピタバスタチンはシクロスポリンと併用禁忌だよ!

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ハチ
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薬剤師
106回薬剤師国家試験現役合格
大学2年の時に化学を挫折しそうになるも、2年間化学漬けの日々を送り大逆転。
⇒CBT~国試まで化学は殆ど勉強しなくてもOKな状態になった。
⇒国試模試で化学単体で2万人中23位に。
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