【ゴロ不要!】構造で覚えるペプチドトランスポーターの基質薬物

ぺプチドトランスポーター(PEPT)の基質になる代表的な薬物は
- アモキシシリン
- セファレキシン
- カプトプリル
- ミドドリン
- バラシクロビル
- バルガンシクロビル
です。
これらの薬物の覚え方を構造で解説します。

めちゃくちゃ分かりやすく解説するよ!
【基礎知識】ぺプチドトランスポーターがターゲットとする構造
PEPTは主にペプチド結合やアミノ酸エステルを認識して薬物を輸送します。※
つまり、構造にペプチド結合やアミノ酸エステルを持つ医薬品はPEPTに輸送されやすいと言えます。

PEPTはH+/ペプチド共輸送体の二次性能動輸送だよ!
ペプチドトランスポーターの基質薬物
アモキシシリン
アモキシシリンはペニシリン系抗菌薬でβラクタム環を持つことが特徴です。

構造を見て分かる通り、ペプチド結合を持つのでPEPTの基質になります。

βラクタム環は
「どこがβ位か」を確認しておこう!
構造を覚えるのに役立つよ!

セファレキシン
セファレキシンは第一世代のセフェム系抗菌薬です。
要点はアモキシシリンと同じです。


さっきのアモキシシリンと同じβラクタム系だよ!
カプトプリル
ACE阻害薬のカプトプリルもペプチド結合を持つため、PEPTの基質になります。

ミドドリン
教科書にもあまり載っていませんが、昇圧剤のミドドリンもPEPTの基質です。

ミドドリンはプロドラッグで、PEPTにより吸収された後に加水分解を受けて活性体(アミン体)に変換されます。

ミドドリンはアドレナリンと構造が似てるのもポイントだね!
バラシクロビル・バルガンシクロビル
抗ウイルス薬のバラシクロビル、バルガンシクロビルはそれぞれバラシクロビル、ガンシクロビルにLーバリンが付加された薬剤です。
これは冒頭の「PEPTに認識される構造」で説明したアミノ酸エステルに当てはまります。


アミノ酸があるからPEPTに認識されるって覚えておけばOK!
おまけ:今回登場した医薬品は腎排泄型医薬品
今回紹介した医薬品は腎排泄型医薬品で腎障害時に投与調節が必要な医薬品です。
医薬品名 | 腎障害時の対応 |
アモキシシリン (サワシリン®) | 減量、投与間隔延長 |
セファレキシン (ケフレックス®) | 減量、投与間隔延長 |
カプトプリル | 血清クレアチニン値が3mg/dLを超える場合 ⇒減量、投与間隔延長 |
ミドドリン (メトリジン®) | 投与間隔延長 |
バラシクロビル (バルトレックス®) | クレアチニンクリアランスにより調節 (参考参照) |
バルガンシクロビル (バリキサ®) | クレアチニンクリアランスにより調節 (参考参照) |
因みにアメナメビル(アメナリーフ®)は腎障害時でも投与調節が不要な抗ウイルス薬です。
次の項でこれらの医薬品が腎排泄である理由を説明します。

特徴が分かれば腎排泄かどうか判断できるようになるよ!
ペプチド構造を持つと水溶性が高くなる
⇒腎排泄されやすい
一般に水溶性が高い薬物は腎排泄されやすいと言われています。
ペプチド構造を持つ医薬品は水溶性が高いので、PEPTの基質薬物は腎排泄されやすいと考えることができます。

ペプチドは水素結合するから水に溶けやすいよ!
まとめ:構造で理解すればPEPTは楽勝!
今回の要点をまとめます。
- PEPTの基質はペプチド結合やアミノ酸エステルを持つ。
- ぺプチドは水溶性が高いので腎排泄されやすい。
関連過去問
セファレキシン①
セファレキシン②
セファレキシンの吸収は、ペプチドトランスポーターPEPT1を介したNa+との共輸送により行われる。
(99-167)
- 解答
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×
ペプチドトランスポーターPEPT1によるセファレキシン輸送の駆動力は、プロトン濃度勾配である。
(103-166)
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〇