【薬剤師国家試験】国試で98%取った薬理の勉強法

106回薬理で39/40(98%)を取ったハチです。
僕はCBTまでガッツリ薬理の勉強をしていましたが、それ以降国試までは過去問と模試だけの勉強で高得点を取ることができました。
今回はそんな頭に残る薬理の勉強方法をご紹介していきます。
暗記量、復習回数が減って他の科目に回せる時間が増えるようになるので、参考にして下さい。

近年の薬理の傾向
構造問題が多くなっている。

- 解答
-
答え:3

- 解答
-
答え:1

- 解答
-
答え:1
このように、近年は医薬品×構造式の問題が増えています。
対策は普段から構造を見る癖を付けることですが、加えて性質などにも目を向けることで薬理以外でも得点することができます。

化学は僕の記事読めばOK!

【理論問題】薬理×病態が増えている
理論問題で薬理&病態の融合問題が増えています。
直近3年分の出題数↓
- 110回:3問
- 109回:3問
- 108回:2問
融合問題が出ても難易度が変わる訳ではないので普通に対策すれば得点できます。
臨床でも病態と薬理はセットなので現場を意識して問題が作られてるのかな?
って思ってます。
個人的には融合問題の方が各々で解くよりも解きやすいので好きです。
今後、心電図の出題が増えてくるかも。



- 解答
-
問254:3
問255:3と4
110回と105回で心電図の出題がありました。
ただし、心電図が分からないと回答できない訳ではなく薬剤や症状から推測する感じです。

今後出題が増える可能性は充分あるよ!
国試で正答率98%だった理由
⇒たくさん疑問を持って勉強したから
【科目別】76%で受かった勉強法でも紹介しましたが、
僕が国試で正答率98%だったのはたくさん疑問を持って勉強したからです。
具体例①:チアジド系薬剤で高Ca血症が起こる機序は?
具体例を挙げるので、考えてみて下さい。
チアジド系薬剤で高Ca血症が起こる機序は?
恐らく多くの方が「???」ってなってると思います。
チアジド系⇒高Ca血症が起こるのは有名ですが、機序まで考える機会は少ないですよね。
因みにチアジド系薬剤で高Ca血症が起こる理由は以下の通りです。
チアジド系で高カルシウム血症が起こる機序

① 薬剤がNa+-Cl–共輸送体抑制
② 上皮細胞が陽イオンを補うためにCa2+の再吸収促進
③ Na+-Ca2+により上皮細胞からCaが排出される
④ 血中Ca2+濃度上昇
このように普段みんなが考えない所に疑問を持って勉強できると点数は上がりやすいです。
具体例②:チアジド系よりもループ利尿薬が強いのはなぜ?
チアジド系を例に他の項目についてもご紹介します。
疑問を持つ切り口として参考にして下さい。
チアジド系よりもループ利尿薬が強いのはなぜ?
⇒Na+の再吸収に寄与する割合がヘンレ係蹄上行脚の方が高い為。
補足
ループ利尿薬のターゲット:ヘンレ係蹄上行脚
チアジド系のターゲット:遠位尿細管
Na+の再吸収(目安)
- 近位尿細管:70%
- ヘンレループ:20~30%
- 遠位尿細管:5~10%
- 集合管:1~3%
チアジド系の構造の特徴
⇒スルホンアミド構造
⇒スルホンアミド過敏症患者に禁忌
補足
ループ利尿薬やチアジド系利尿薬は元々、
サルファ剤⇒アセタゾラミドを経て開発された背景があるので
スルホンアミド構造を持っている。
チアジド系は光線過敏症を引き起こす可能性があるので注意。


同じ切り口で
抗アルドステロン薬
を調べてみるのもアリ!
疑問の見つけ方
⇒講義、問題、添付文書・IF
講義内容、過去問などで出てきた事柄について「なんで?」と考えれば自然と調べるきっかけになります。
加えて、添付文書・IF(インタビューフォーム)の参照がオススメです。
理由はネタの宝庫だからです。
これらの資料には
- 薬理作用
- 副作用
- 相互作用
など医薬品に関する情報が詰まっているので、活用しない手はありません。

日頃から添付文書・IFに触れる習慣を付けよう!
薬理のアドバイス
ステムは必ず暗記!
ステムを覚えることで暗記のハードルが格段に下がるので、優先度高めにステム暗記を行いましょう。
意外と名前の由来は大事
慢性便秘改善薬のエロビキシバットはその名前から作用機序が分かります。

エロビキシバットのステム「キシバット」は、
iBAT(胆汁酸トランスポーター)を阻害(×)するので
“xibat”という名前が付いています。

これで試験に出ても正誤の判断ができるね!
もう1つ例を挙げます。
乳癌治療薬のアベマシクリブです。
あまり出題がない医薬品ですが今後の為にチェックしておきましょう。


アベマシクリブは適応である「進行または転移性乳癌」の英語を取って付けられた名前になっています。
ステムの「~シクリブ」は「サイクリン依存性キナーゼ阻害薬」に由来しています。

このように医薬品の由来を知ることで暗記の負担が下がるので勉強に役立てて下さい。
オススメ書籍です↓
作用機序に躓いたら生物に戻ろう!
僕の実体験でもありますが、薬の作用機序が分からなくなったら生物を見直すと解決することが割と多かったです。
理由は、薬の作用点は生物の知識がベースになってるからです。
薬理で一気に覚えようとすると混合するので、基本に戻るという意味でも生物の教科書を読んでみて下さい。
化学も無視しない!
前述した通り、近年の薬理は構造問題が増えてるので構造も併せて見る必要があります。
化学が出来ると他科目の理解スピードが格段に変わるので本当にオススメです。
こちらの書籍は薬理学を構造の観点から理解できる最強本です。

新薬の勉強はやらなくてOK
賛否両論ありますが、個人的に新薬の勉強はやらなくてOKだと思っています。
理由は苦手分野や頻出単元を勉強した方が点数に繋がる確率が高いからです。
余談ですが、
例え国試で新薬が出てきても、既存薬のステムや性質などの知識で充分解けることもあるので怖がらなくて大丈夫です。

分からない薬はみんな分からないから大丈夫!笑
それよりも確実に得点できる所で稼ごう!
模試・国試:問題をよく読もう!
試験当日の話ですが、問題をよく読んで解きましょう。
正しいものを選べ
誤っているものを選べ
促進
遮断/抑制
この辺りを鉛筆で下線を引きながら解くとミスが減るので、参考にして下さい。
薬理はみんな得点できる科目だからこそ、ミスしないことが最重要になります。
まとめ:疑問を持って薬理をやろう!
講義や模試などで学んだことをそのままにせず、縦横に深堀っていくことが点数UPに繋がります。
最後に、僕が唯一使っていた薬理学の参考書です。
作用機序が図にまとまっていて、知識の整理にピッタリです。
加えて商品名も載っているので実習の予習感覚で読めます。
